今まさに換毛期真っ只中!!というスピッツたちも多いのではないでしょうか!
今日はそんな換毛期の時に思う「何でこんなに抜けるの!?」について
お伝えしていければと思います。
ダブルコートという被毛構造
日本スピッツの被毛は「ダブルコート」と呼ばれる二層構造になっています。
外側の硬くてまっすぐな「オーバーコート(上毛)」と、
その下に密生している柔らかくふわふわした「アンダーコート(下毛)」です。
アンダーコートは保温・断熱の役割を持っていて、寒い冬には厚く育ち、
暑い夏には薄くなります。
この「季節に合わせた被毛の入れ替え」こそが換毛です!!
換毛のスイッチは「光」と「気温」
「暖かくなったから抜ける」というよりも、
正確には日照時間の変化と気温の変化が組み合わさって
換毛のスイッチが入ります。
春(だいたい3〜5月)と秋(9〜11月)に年2回起こり、
それぞれ集中的に抜けるのは2〜3週間ほどです。
春の換毛では、冬に蓄えた厚いアンダーコートがごっそり抜け落ちて、
通気性のよい夏用の軽い被毛へと切り替わります。
だからこそ、春の換毛は特に「大量」に感じられるのです。
あの白い綿のような塊も、アンダーコートの集合体です。
「異常な抜け毛」との見分け方
換毛期の抜け毛は生理現象ですが、
以下のサインが出ているときは別の原因が考えられます。
・過剰なかゆみ・フケ・皮膚炎:アレルギーや皮膚疾患の可能性
・パッチ状の脱毛(円形や楕円形に抜ける):皮膚糸状菌症(カビの一種)など
・皮膚の変色:赤みや黒ずみがあれば早めに受診を
・換毛期以外の対称的な脱毛+体重増加+寒さへの過敏:甲状腺機能低下症の疑いがあり、血液検査が推奨されます
「換毛かな?」と思っていたら、
実は病気だったというケースもゼロではありません。
少しでも「おかしいな」と感じたときは、迷わず獣医師に相談してみてください。
換毛期のブラッシング——「頻度」と「道具」がすべてを決める
換毛期は毎日、それ以外は週1回
ブラッシングに関して、1つの基準は
・換毛期(3〜5月・9〜11月):毎日ブラッシングが必要
・換毛期以外:週1回程度で十分
換毛期に毎日が必要な理由は、
脱落したアンダーコートがオーバーコートの中に絡まったまま残ると、
毛玉(マット)を作ってしまうからです。
毛玉は皮膚通気性を阻害し、蒸れや皮膚炎の原因になります。
毎日こまめに取り除くことが、愛犬の皮膚を守ることに直結します。
道具選びは「コーム」から始める
スリッカーブラシ(細いピンが斜めに生えたブラシ)も使いますが、
日本スピッツのアンダーコートのもつれをほぐすのに特に有効なのが
「長歯コーム」です。
歯の間隔が広いため、アンダーコートの深いところまで届き、毛を引きちぎらずにもつれをほぐすことができます。
ブラッシングの順序としては、まず大まかに全体をコームで通して
毛玉を確認し、毛玉があればそこから優しくほぐしていきます。
力任せに引っ張るのではなく、
根元を片手で押さえながら毛先から少しずつ解くようにすると、
犬も痛くありません。
最後にスリッカーブラシで整えれば完了です。
全剃りは絶対に避けてほしい
換毛期に「いっそのこと全部剃ってしまえばいい」と思う方も多いのですが、
これは日本スピッツに限っては絶対に避けるべきことのひとつです。
理由は、皮膚保護の機能が失われるからです。
ダブルコートは紫外線を遮断し、体温調節の緩衝材にもなっています。
皮膚まで剃り込んでしまうと、
熱中症リスク・日焼け・皮膚炎のリスクが一気に高まります。
また、カットした毛が正常な生え方に戻らなくなる
「ポスト・クリッピング・アロペシア(剃毛後脱毛症)」が起きることも報告されています。
どうしても暑さが心配なときは、全剃りではなくお腹まわりの軽いトリミングにとどめ、必ず専門のグルーマーに相談するようにしてください。
食事と栄養—被毛のコンディションは「フードで作られる」
タンパク質と被毛の関係
被毛の主成分はケラチンというタンパク質です。
犬が摂取したタンパク質の最大35%が皮膚・被毛の維持に使われるとされています。
つまり、フードのタンパク質が不足すると、真っ先に被毛のコンディションに影響が出るのです。
換毛期に毛艶が極端に落ちたり、換毛が長引いたりするときは、
まずフードの成分表を見直してみてください。
AAFCO認証フードを選ぶ理由
AAFCO(米国飼料検査官協会)とは、
ペットフードの栄養基準を定めているアメリカの機関です。
日本国内で販売されているフードにもこの基準に準拠したものがあり、「AAFCO基準充足」または「総合栄養食」と表示されています。
安価なフードの中には、
皮膚・被毛の維持に必要な栄養が不足しているものもあります。
換毛期に毛艶が落ちたと感じたら、フードの品質を見直すことが改善のヒントになることがあります。
成分表でタンパク質が最初に記載されているもの(=主原料が肉類のもの)を選ぶ習慣をつけると安心です。
オメガ3・亜鉛も積極的に
オメガ3脂肪酸(EPA・DHA):サーモンなどの魚油に多く含まれ、
抗炎症作用と被毛の光沢向上に効果があるとされています。
換毛後の被毛をより美しく仕上げたいなら、オメガ3が豊富なフードやサプリメントも選択肢になります。
亜鉛:皮膚細胞の分裂に不可欠なミネラルです。
亜鉛が不足すると毛の生え変わりが遅れ、皮膚の乾燥やフケが増えることがあります。
フードの主原料が肉類であれば、比較的亜鉛は補えますが、不安な場合は獣医師に相談してみてください。
まとめ——換毛期は「愛犬を知る季節」
日本スピッツの換毛期について、大切なポイントを整理します。
・春の換毛(3〜5月)は、冬毛から夏毛への切り替えで最も抜け毛が多い時期
・換毛期は毎日ブラッシング、長歯コームでアンダーコートまでしっかり取り除く
・全剃りは皮膚にとって危険——
「ラクになりたい」という気持ちはわかりますが、
ここだけは踏みとどまってほしいのです
・皮膚の変化や換毛期以外の脱毛には注意し、異変があれば早めに受診を
・フードの品質が被毛のコンディションを左右する
——タンパク質とオメガ3を意識して
換毛期は確かに大変です。
毎日のブラッシング、部屋の掃除、洋服についた毛・・・
地味に消耗する日々が続くこともあります。
でも、ブラッシングの時間は愛犬がリラックスして
体に触れさせてくれる、とても貴重なスキンシップの時間でもあります。
白い毛が少しずつ取れて、
夏に向けてすっきりしていく愛犬の姿を見るのは、
なかなか清々しいものです。ぜひ、焦らず一緒に乗り越えていきましょう。
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