フード選びは全愛犬家の悩みですよね
そんな中で稀にこんな声を耳にすることがあります。
「ロイヤルカナン、実は良くないんですよね...?」
実際に、ラーテル犬舎ではロイヤルカナンジャポンが販売する
ユカヌバも使っています。
イタリアングレーハウンドも日本スピッツも、みんな元気に育ってくれていますが
正直なところ、
ネットで「ロイヤルカナンは副産物が入っている」「穀物は充填材だ」「獣医が勧めるのは癒着があるから」という情報を見るたびに、
「本当にそうなのかな」と心配になってしまいますよね
今回はそのモヤモヤをきちんと整理したくて、
獣医栄養学の文献を確認しながら調査してみました!
ネットに溢れる「ロイカナ批判」は正しいのか
「副産物が入っている=粗悪なフード」という誤解
よく見かける批判の筆頭が「副産物(バイプロダクト)が使われている」というものです。
副産物というと、なんとなく捨てるような部位を使っているイメージがあるかもしれません。
でも実際はどうでしょうか。
副産物とは、主に臓器肉・骨・軟骨・血液・肉端材などを指します。
これを「粗悪」と言うのは少し違うかもしれません。たとえば鶏のレバー・砂肝・心臓を使ったモツ料理を思い浮かべてみてください。
栄養価が高く、タンパク質・鉄分・ビタミンAが豊富な食材ですよね。
犬にとっての副産物もそれと似たようなもので、
栄養密度は決して低くないのです。
PetMD(アメリカの大手獣医学情報サイト)や
VCA Animal Hospitals(アメリカの大手動物病院グループ)も、
副産物自体の使用を問題視していません。
むしろ適切に処理された副産物は、良質なタンパク源として評価されています。
「トウモロコシ=フィラー(充填材)」は本当か
「穀物は犬の身体に合わない」
「トウモロコシは単なるかさ増し材だ」
——こういった話も広まっています。
ところが、これも科学的には支持されていません。
トウモロコシをはじめとする穀物は、
消化性の高い炭水化物・食物繊維・必須脂肪酸・
ビタミン・ミネラルを含む栄養源です。
「フィラー」という言葉は印象的ですが、
栄養学的根拠に乏しい表現です。
実際に多くの国際基準(後述するWSAVAなど)が
認めているブランドが穀物を使用しているという事実が、その証明でもあります。
「人工保存料が危険」という話の実態
BHA・BHT・エトキシキンといった保存料を危険視する声もあります。
アメリカ食品医薬品局(FDA)は、ペットフードに使用される量においてこれらは安全であると判断しています。
また、ロイヤルカナンの多くの製品ではすでにBHA・BHTの使用自体をやめています。
現在の製品ラインを確認せずに古い情報のまま批判しているケースも少なくないのです。
ではなぜ「悪評」が広まっているのか
この点、少し立ち止まって考えてほしいことがあります。
ロイヤルカナンやユカヌバへの批判の多くは、
「ナチュラルフード」
「グレインフリー(穀物不使用)」
「プレミアムペットフード」を売り出したいブランドの
マーケティング文脈で広まったものが多いのです。
「大手ブランドは化学物質だらけ」
「穀物を使っているのは安いフードの証拠」
「獣医推奨は業界癒着」
——こういったメッセージは、別のフードを買わせるための文脈から
切り離して考えるのが難しいものです。
もちろん、すべてのナチュラルフードが悪いわけではありません。
ただ、「批判されているから悪い」ではなく、
「何を根拠に言っているのか」を
一緒に見ていくことが大切だと思っています。
重要な事:グレインフリーフードとDCMの問題
これは知っておいてほしい話です
ここで少し立ち止まって、別の角度からも見ておきたいことがあります。
2018年、アメリカのFDAがある調査を開始しました。
「グレインフリー(穀物不使用)フード」と
「DCM(拡張型心筋症)」の関連についてです。
DCMとは、犬の心臓に起こる深刻な疾患です。
本来この病気になりにくいとされていた犬種での症例増加が報告され、
FDAが調査を開始しました。
調査の結果、豆類(エンドウ豆・レンズ豆など)や
ジャガイモを主原料とするグレインフリーフードとの関連が示唆されています。
Acana・Zignature・Taste of the Wildといった
人気グレインフリーブランドが調査対象ブランドの上位に挙げられました。
これはロイヤルカナンやユカヌバとは無関係の問題です。
両ブランドはグレインフリーを主体とするメーカーではなく、
このリスクが低い製品構成になっています。
現在のガイドラインでは、確定した食物アレルギーがある場合を除いて、
グレインフリーを積極的に選ぶ理由は薄いとされています。
「自然なものが体にいい」という直感は理解できますが、
科学的なデータはそれとは少し違うことを示しているのです。
ロイヤルカナン・ユカヌバが「信頼できる」と言える理由
WSAVA基準という国際的なものさし
WSAVA(世界小動物獣医師会)という団体をご存じでしょうか。
100か国以上の獣医師が加盟する国際的な学術団体で、ペットフードに対しても独自のガイドラインを設けています。
そのガイドラインに適合するためには、
専任の獣医栄養士が処方に関わっていること、
自社で研究・試験を行っていること、
AAFCO基準(アメリカの動物飼料基準)を満たしていることなど、
高いハードルをクリアする必要があります。
ロイヤルカナンはこのWSAVA基準に適合しており、
フランスに自社研究キャンパスを保有、専門家チームが製品を開発しています。
現在91か国以上で展開しており、
VCA Animal Hospitalsでも正式に推奨・販売されています。
ユカヌバ(Mars Petcare傘下)も同様にWSAVA基準に適合しており、
全ライフステージでAAFCO栄養基準をクリアしています。
Hill’s・Purina Pro Planと並んで「獣医学的に認められた主要ブランド」として位置づけられています。
どちらも、国際的な基準をクリアした「科学的根拠のあるフード」です。
最後に—フードを選ぶときに大切にしてほしいこと
「高いフードが良い」「ナチュラルな材料が安心」
という感覚はよくわかります。
愛犬のためにできるだけいいものを選びたい、
その気持ちは私も同じです。
でも、「批判されていないから安全」
「自然素材だから体に優しい」
というのは、必ずしも科学的な根拠とイコールではありません。
フードを変える前に、一度かかりつけの獣医師に相談してみてください。
特にイタリアングレーハウンドや日本スピッツのような小型犬は、
体格や代謝の特性に合わせた選び方があります。
「うちの子に合うフード」を見つけるために、専門家の目を借りることが一番の近道だと私は思っています。
今使っているフードで愛犬が元気に過ごしているなら、
それはすでに良いフードの証拠かもしれません。
焦らず、一緒に考えていきましょう!
RATEL犬舎について
イタリアングレーハウンドと日本スピッツの繁殖・飼育に関する情報を発信しています。
気になることがあれば、お気軽にのぞいてみてください。
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※この記事は獣医師の診断や治療に代わるものではありません。愛犬の健康状態や食事については、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください